日 時: 2015年4月10日[金] 18時〜20時
会 場: 東京問屋連盟 4階会議室
開催主旨: 第1回、第2回、第3回、第4回に引き続き、成長著しいeコマース=インターネット通販について解説します。
第5回 概要:
eコマースの解説の前にまずは日本の小売業界の市場規模を把握します(統計数字については発表時期や発表母体によってかなりの誤差・バラ付きがありますので、あくまで一例として)。全体を俯瞰してから各論へ。
- 小売業全体の市場規模は140兆円
- スーパーマーケット(量販店)は約13兆円。約半分の6兆円強がイオン・グループ。漸減傾向
- コンビニは9兆円弱。セブン-イレブンがダントツ。売上は頭打ち
- 家電業界は7兆円。将来は非常に厳しい。
- 百貨店業界は長期低迷。総売上は6兆円強
- これらに対してeコマースの売上は10数兆円。今後見通しとして2020年には20兆円を突破!
http://toyokeizai.net/articles/-/48945
https://www.magolis.com/ec-consulting/343.html
- ECサイト別の売上ではAmazonが圧倒的な首位(7000億円強)
http://www.impress.co.jp/newsrelease/2014/11/20141128-02.html
- Amazonが圧倒的売上を誇り、かつ未だに赤字を続ける理由
・米軍の兵站並みの巨大投資(これまでの流通業界の常識を遥かに超えた物流センターなど)
・消費者の利便性の徹底追求(午前中に注文すれば日本全国何処でもその日に届く。本当に届く)
・ありとあらゆるものが買える(アメリカ西海岸では既に生鮮品の取り扱いも開始。日本でもBMWの電気自動車が買える!)
・プライム会員になれば送料無料
・自社のビッグデータを活かしたサジェスト機能(「こちらも如何ですか?」「同じ商品を買った方は他にこのようなものを買っています」など)
・定期購買でさらに得になる(講師の経験ではNB商品が日本のスーパーで普通に買うより40%以上安価になるものがある!)
・売れるものはAmazon自社リスクで販売
- 楽天市場はネット上の超巨大なモール。書籍・保険・旅行など以外はテナント方式
- ショップチャネルやQVCはテレビと連動して本当の意味でのメディアミックスを実践している
- 賢い消費者は今や「商品情報を得る → 店舗で商品を確認する → ネットで価格を調べる → 一番安いECサイトで購入する」のであるから、供給側=小売店としては「自分の店だけの品揃え」「徹底した安売り」「コンサルティングセール(説明販売)」のいずれか、または全てに徹しない限りは(理論的に)生き残れ(る筈が)ない!
- 現在ITを使いこなせている世代の高齢化が進めば「重い物(飲料など)」「ガサが張るもの(トイレットペーパー、ティッシュ等)」「定期的なもの(牛乳、お米などの主食)」が次々とeコマースでの販売に移行する
- これに対抗するには「徹底した地域密着」「細かいサービス」「御用聞の復活」などcコマースに出来ないことをするしかない
- 実際のeコマース=ECサイトの運用は実店舗と買わない手間が掛る
- 商売の要素(人・モノ・場所・金)のいずれもeコマースだから削減できるわけではない!
- 例えばeコマースでは商品説明文と商品写真、ページの見やすさが全てなので手間暇お金を掛けて沢山の綺麗な写真と細かい説明と季節やタイミングに合わせたページ構成の変化が必須。この手間は実店舗の売り場構築や管理と何ら変わらないし、本当に綺麗な写真は素人には撮れない!
- コンビニと同じくeコマースは完全なる24時間営業であるから対応方法を間違えると大失敗する
- 希少本・絶版本、非常にマニアックな商品、部材や部品(例えばサイズ別の各種のネジ)などのデータベースが構築できれば、SEO(サーチエンジン最適化)との相乗効果で新しい商売が出来る可能性が広がる(Amazonは元々は世界一の本屋さん)
- ネット検索が当たり前の時代なので売上や直接のeコマースとしての商売とは関係なく、自社紹介サイトは必須!(今どき、Webサイトが無い企業・店舗は信用価値ゼロ)
※次回=インターネット講習会 第6回(最終回)は4月24日[金]「Webサイト運営実務編(及び拡大版・質疑応答編)+懇親会)」です。
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