平成23年に行う予定だった神田祭りは東日本大震災のため中止となった。4年ぶりとなる今回の神田祭りほど多くの氏子や町内会のお祭り好きが首を長くして心待ちにしていたものはないと思います。
歴史を振り返ると神田・日本橋の町もわずか160年間の間で、3回も焦土となりながらも先人の不屈の努力によって繁栄を取り戻した過去を忘れることはできない。今から約160年前、安政2年の安政大地震は江戸の町を崩壊させました。さらに90年前、大正12年の関東大震災は東京に大きな悲劇をもたらしました。そして68年前、昭和20年の東京大空襲は死者100万人を超える惨禍となった。こうした災害を祭礼を守ってきた日本人の底力を改めて見直すことが必要と思います。
時あたかも伊勢の神宮におきましては。本年10月には第62回式年遷宮が行われます。20年に一度、古い御殿から新しい御殿に神様に遷座いただく儀式は、生命のよみがえりにも譬えられる日本国民が奉賛する祭りでもあります。
こうした祭りの力こそが、世界中が賞賛した未曾有の震災の中でも礼儀を失わず、互いに助け合い悲しみを乗り越えて着た日本人の心の原点でもあります。