四年ぶりの神田祭り
神田神宮宮司
大鳥居 信史

平成23年に行う予定だった神田祭りは東日本大震災のため中止となった。4年ぶりとなる今回の神田祭りほど多くの氏子や町内会のお祭り好きが首を長くして心待ちにしていたものはないと思います。

歴史を振り返ると神田・日本橋の町もわずか160年間の間で、3回も焦土となりながらも先人の不屈の努力によって繁栄を取り戻した過去を忘れることはできない。今から約160年前、安政2年の安政大地震は江戸の町を崩壊させました。さらに90年前、大正12年の関東大震災は東京に大きな悲劇をもたらしました。そして68年前、昭和20年の東京大空襲は死者100万人を超える惨禍となった。こうした災害を祭礼を守ってきた日本人の底力を改めて見直すことが必要と思います。

時あたかも伊勢の神宮におきましては。本年10月には第62回式年遷宮が行われます。20年に一度、古い御殿から新しい御殿に神様に遷座いただく儀式は、生命のよみがえりにも譬えられる日本国民が奉賛する祭りでもあります。

こうした祭りの力こそが、世界中が賞賛した未曾有の震災の中でも礼儀を失わず、互いに助け合い悲しみを乗り越えて着た日本人の心の原点でもあります。

問屋連盟通信編集部より：
毎年5月の薫風が吹く季節になると問屋街はにわかに賑やかになって来る。
もちろん初夏の商売もGWと母の日と言う一年間でも一番の繁忙期であり前半の山場中の山場である。
しかしそれ以外にも下町育ちの僕は自然とお尻がむずむずしてくる（笑）。
2年に一度の「天下祭」と言われる神田祭りの季節だからである。

江戸の中心日本橋に威勢のいい神輿が町内を渡御して盛り上がる。
ここまでの準備はそれこそ大変であるがそれもこの日のため！
そしてそれ以上に町内の一体感や日本橋地区全体が盛り上がる。
普段は町内の行事と言ったら交通安全やら防火訓練と「やらされ感（使役感）」のあるものが主だが、お祭りだけは学生生活で言ったら運動会！
唯一心ウキウキ楽しいものだからである。

今年は特に東日本大震災後の自粛期間を含めたら4年ぶりのお祭り。
各町内のそろいの半纏に袖を通して神輿を担ぐ高揚感は何者にも代え難い。
僕も馬喰町の半纏姿がとても懐かしく思えた。
毎年のことだが一日は雨に祟られたが大きな事故やケガも無く無事に渡御も終わり今はホッとしている。
町内を渡御した神輿の神様はきっと問屋街の守り神となってこれからの発展を約束してくれたように感じた。
H. I.記


関連リンク：

• 神田明神ホームページ
  http://www.kandamyoujin.or.jp/
• 神田明神 - 神田祭
  http://www.kandamyoujin.or.jp/bunka/detail.html?id=50
• 神田祭.ch 公式ブログ
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