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今塾 - 経営の眼今塾“経営の眼”
  • 『女性活躍推進法 (女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)』の目指すもの 2016.11.23
    2016年4月から施行された『女性活躍推進法 (女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)』では、301人以上の労働者を雇用する企業は、すべてに、女性活躍促進のための行動計画策定、届出、従業員への周知・公表などが義務付けられています (300人以下の企業は努力義務)。
    ※労働者には、パートや契約社員であっても、1年以上継続して働いているなど期限の定めなく働いている人も含みます。
    問屋街企業の大手企業の中には、この法律に抵触する会社があると思われます。当然、留意されていると思われますが、社内で確認・整理しておきましょう。
    ・『女性活躍推進法』が求められる社会背景(添付図参照)
     少子高齢化による労働力人口の減少は、すでに始まっており、今後、さらに減少スピードが加速していくことが予測され、日本の経済力低下は避けることはできません。
     このような状況の中、労働力減少に歯止めをかける切り札として政府が期待しているのが『女性』の労働力です。
     女性の労働力人口比率は、20代後半〜30代に低下する傾向があることはグラフからも明らかです。女性は、仕事のキャリアも重ね、今後の活躍が期待されますが、結婚・出産・育児などを理由として離職や休職を余儀なくされている人が多いのが一般的です。この年齢層の女性の労働力低下は避けることが難しいのです。
     働きたいのに働けない層 (就業希望者層) を『潜在的労働力』と呼び、数が特に多い女性が働ける勤務体系や職場のルール環境を作り上げることで、『潜在的労働力』を労働力化しようと政府が躍起となって設立した法律が『女性活躍推進法』なのです。
    参考資料
    ・女性の社会進出が叫ばれるようになったのは、一般的には、高度経済成長期の頃と言われています。
     アパレル産業では、元々女性の役割は貴重であり、デザイナー、パタンナーのような技術職から店頭の販売職に至るまで引手あまたでした。力あるデザイナーの「寿退社」に悩まされたことも一般的現象でした。男性社員のベアが厳しくなり始めた1985年の『プラザ合意』以降は、「共働き」退社が増えて他企業に移籍していく女性が増えたのは、周知の事実です。
     1986年には『男女雇用機会均等法』が施行されます。大卒社員が増え始めたこともあって一般職から『総合職』と呼ぶ社員の採用が増加します。この法律で、それまでの同じ職場でも男性と女性が果たす役割や給与面の格差が当然視されていたのが、それを見直して女性が働くために不利な環境を是正することを目的としたのです。
    『男女雇用機会均等法』成立から30年が経ちましたが、未だに企業によっては給与面等で男女差が残っています。長時間労働当たり前、有給返上当たり前の問屋という職場風土の中にあっては女性も男性の優位を認めて、総合職といえども男性補佐的仕事に甘んじるような職場環境になってしまっている会社が多いはずです。力のある女性はこのような働き方に疑問を持ち退社して好条件の企業に移っていくようになりました。
     他の業種においても、多様な人材の活用を目指す”ダイバーシティ”や、多様な働き方を実現しようとする”ワークライフバランス”を大切にするという傾向が強まっています。
     このような考えを推進し、今まで以上に女性が活躍できるための環境を作ることを目指したことが『女性活躍推進法』のもう一つの設立目的になります。
    ・『女性活躍推進法』で義務付けられている3つのポイント
     『女性活躍推進法』の成立により、301人以上の労働者(※)を雇用する企業には、次の3つのことを実施する義務が生じています (300人以下の企業は努力義務があります)。
    [1] 自社の女性の活躍状況の把握、課題分析
    [2] 状況把握、課題分析を踏まえた行動計画の策定、社内周知、公表、届出
    [3] 自社の女性の活躍に関する情報の公表
    この3項目を達成することで、『女性が活躍できる職場作り』に取り組むことになります。
     以下、アパレル企業やファッション小売業での女性の比率は当然高くならざるを得ないのですが、(協)東京問屋連盟の労務担当者のチェックを受けておくことをお勧めします。
    ●ステップ1: 状況把握と課題分析
    (1) 採用者に占める女性比率
    (2) 勤続年数の男女差
    (3) 労働時間の状況
    (4) 管理職に占める女性比率
    社内制度についても男女の比率を把握する必要があります。就業規則、評価制度、キャリアプランなどが整備されているか、また整備されているだけではなく、利用度とその男女差まで把握すべきなのです。
    『制度がある』ことにとどまらず、『制度がどれだけ社内で認知されており、利用されているか』まで踏みこんで把握することが求められます。
    ●ステップ2: 行動計画の策定、社内周知、公表
    ステップ1での状況把握、分析を踏まえて、どの様に改善するかを具体的な行動計画として作成します。
    計画策定には、厚生労働省が提供する『行動計画策定支援ツール』を利用するのも便利です。
    行動計画は、絵に描いた餅に終わらないよう期限を設定し、社内の誰が主導権を取ってプロジェクトとして進めていくかを問われるのです。作成した行動計画は『都道府県労働局』に届け出る必要があります。
    ●ステップ3: 女性の活躍に関する状況の情報の公表
    女性活躍推進のために社内で整備している制度やその利用状況、女性管理職の割合などを社外に広く公表しなければなりません。具体的には、企業ウェブサイトへの掲載、採用メディア (求人サイトなど) への掲載などが必要になります。
    『女性活躍推進法』の思想の大元には、”男女を問わず誰にとっても働きやすい環境を作る”という考え方があります。男女の別なく家事や育児、介護などにかかわりやすくなることで、より豊かな生活を送ることを実現できる職場環境が求められているのです。アパレル関連企業では、元々女性社員の活躍の場がありますので軽く考えがちですが、給与・待遇面を含めて男性優位の歴史・風土があることを忘れないでください。

  • ショッピングセンター増設と既存小売事業の破綻続く 2016.11.09
     百貨店の閉店が続いていることについては、もはや常識となっています。
    参考資料  私たちの先輩たちが、各地を回り百貨店開店の適地を探り、長い年月を賭けてようやくオープンにこぎ着けられた歴史を思い返す時、感無量の想いが溢れてきます。添付の、朝日新聞10月1日付の『閉店対象となった主な百貨店』の一覧には、地方百貨店 閉店加速 の見出しが付いています。
     三越千葉店とは、地域一番店を誇った前身の百貨店は、あの「奈良屋」さんのことでしょう。その奈良屋が三越の傘下に入り、いつの間にか三越千葉店と改名今日の事態を迎えています。
     小生の元の勤務先であった堀留町の企業は「一地域一小売店」を取引先政策の中心に置いていたために、水島そごうの開店に際しては「奈良屋」さんを立ててそごうとの取引をお断りして、後にホゾを噛むことになりました。
     西武八尾店は、西武の中でも売場面積は「渋谷店」より大きく沿線の近畿日本鉄道さんは、西武の社内吊り(広告)には一切応じなかったと開店時の店長氏が嘆いていました。でも、歴代の店長さんは頑張ってきたのです。
     地方の有力百貨店さんは、いずれも現地では「上野さん」(宇都宮市)のように「さん」付けで呼ばれて地域の敬愛を受けて来られたのです。それが東京の大手百貨店の地方支店開設の餌食となり、多くの地方百貨店は大手の傘下に入るか、閉店を余儀なくされてしまいました。
     そして大手の傘下に入った地方百貨店も、今日の惨状を迎えています。この間にダイエー、ジャスコ、ヨーカ堂等の大手GMSが割って入った事態から時代は大きく変わっていきます。マイカルが先鞭を付けたショッピングセンター方式が主流となり、GMSも「営業利益」より「経常利益」で収益を確保するように変化していきます。
    参考資料
     SCとなったGMSの「経常利益」を支えた「きょうしん」の破綻です。繊研新聞11月7日付の記事に代表されています。
     SC等に出店している小売店チェーン店の多くは、大手の傘下に入っていない限りは「民事再生」から「破産」への道を辿ることになります。百貨店内に出店している大手アパレル企業の直営店といえども決して例外ではあり得ません。どうすれば生き残っていけるか、出身が卸売業でも小売業でも関係なく真剣に取組む時が来ています。
     問屋街の皆さんと一緒に考えていくために、「今塾の眼」に注目してください。

  • 異次元緩和の「敗北宣言」、黒田総裁、任期中の「物価2%目標」断念! 2016.11.04
     日銀は、11月1日の金融政策決定会合で、物価上昇率2%の目標達成時期を「2017年度中」から「18年度ごろ」に先送りしました。
     黒田総裁は、13年4月に始めた大規模な金融緩和で、2年もあれば「物価2%上昇」は可能と豪語してきました。結果は、総裁任期中の達成断念との宣言です。
     日銀の物価見通しの修正は、朝日新聞のグラフの通りで今年に入って3度目、大規模緩和開始からは5度目となります。同紙には、「物価がどうなるかということと私自身の任期に特別の関係はない」と黒田総裁が言及を避けた、と記されています。日銀が13年に政府との間で、2%の早期実現を約束したことは事実だけに、「早期実現を適切な政策」として決定し実行してきたことに責任はあるのでは、と筆者は考えます。
     参考資料 朝日新聞10月12日付の記事にあるように「日銀保有国債 400兆円を突破」(掲載の表)したことは事実であり、これが日銀の大規模緩和開始と関係があることから、黒田東彦総裁の責任は逃れられないと考えねばなりません。
    参考資料  いわゆる「アベノミクス」は、政府自体が死語化していますが、この国債残高とGDPの政府目標値600兆円との関係については、自民党総裁任期3期9年に延長との関連において皮肉な状況が懸念されます。
     今後は、「働き方改革」に向けて、各企業に対して「同一労働同一賃金」を始めとした政府主導の政策が実行されると共に、医療・介護から年金支給方法等に至るまで、厳しい施策が現実化していくことになります。

  • 安倍政権を支えた経済政策の成長の「旗」が降ろされる時がきた! 2016.9.14
    参考資料  9月5日の都内で行われた黒田日銀総裁の講演で「わが国においては、予想物価上昇率の形成は、依然としてかなりの程度『適合的』であり、(中略)予想物価上昇率もこれにつられて低下する傾向がある」と述べた、と報じられました。
     週刊『エコノミスト』9/20号によれば、9/20〜21日の金融政策決定会合では、2013年4月以来続けている量的・質的金融緩和の「総括的な検証」を発表する予定とのこと、であり、黒田日銀総裁の手詰まり感がいよいよ表面化し始めてきたことを指摘しています。
     黒田総裁は、この時点で「当面は、消費者物価上昇率が小幅のマイナスかゼロ%程度で推移すると見込まれ、物価がはっきりと上昇しにくい状況が続くとみられます」として、物価上昇率2%の目標達成が当面難しいとの見方を示しました。
     物価上昇を「人々の期待に働きかける」とする異次元緩和の理論的根拠だった「合理的期待形成」が実体経済では機能しないことを、黒田総裁も認めざるを得ない事態に追い込まれたことを認めた、といえます。
     多くの学者が指摘した「異次元緩和の根本的は計画が崩れた」だけではなく、今回の発言で総裁発言の首尾一貫性も揺らいだ、ことになります。
     添付の『朝日新聞』朝刊9/14日付では、国債の買入方法見直しを検討するとあります。浜矩子氏著『アホノミクスの完全崩壊に備えよ』(角川新書)によれば、年間約80兆円に上る国債買付を日銀が続ければ、日銀の国債保有残高は2018年には570兆円に達することとなり、政府の経済成長「GDP600兆円プロジェクト」が奏功しても名目成長率は560兆円に止まるのです。

  • 高速道路を逆走する安倍政権が国民にもたらす経済政策とは? 2016.7.31
    参考資料  安倍首相は8月2日に大規模な経済対策を閣議決定すると報じられています。首相は参院選で「アベノミクスのエンジンを最大限にふかす」と繰り返し連呼して、大規模な財政出動を約束しました。リニア新幹線の開業前倒しを含めて、その規模は28兆円超まで積み上げています(添付図参照)。
     日本銀行も歩調を合わせて、およびごしの追加の金融緩和を決めてきました。上場投資信託(ETF)の買い入れ額を増やすに止まるという追加緩和に失望感は拭えません。
     参院選はアベノミクスは「道半ば」との連呼で勝利を収めました。国民以上に自公政権内でも「アベノミクスがよく分からない」のでしょう。「いつまでが道半ば」なのか、日銀の最後の切り札である「マイナス金利幅の拡大」と「国債の買い増し」は見送られた。日銀もやはり「道半ば」が判断できないのではと、国民感情として疑わざるを得ないでしょう。
     国債買い増しは日銀の国債保有量が400兆円に迫り、限界?が見え始めています。購入額はすでに国の新規発行額を超えて、市場に流通する国債の3割を買い占めているのです。「お金の信認が損なわれるのでは?」と国際通貨基金の危惧も伝えられています。「金利急騰の懸念は深刻なリスクを生む」ことになるからです。
     水野和夫氏は、著書『資本主義がわかる本棚』において、「アベノミクス」の成長戦略は、17世紀のスペイン帝国オリーバーレス宰相が演じた「歴史の危機」同様に、既存のシステム強化策は崩壊を早めるだけだと忠告しています。
     歴史に学ぶべき時期を迎えています。
    参考資料「アベノミクスをふかす」朝日新聞7月30日付

  • 将来に対する不安感が依然強く、経済の好循環は期待できない。 2016.7.2
    参考資料  参議院選挙の最中であり、政治的なコメントは差し控えたいのですが、1日に発表された消費、雇用関連の経済指標は思わしくありません。
    「将来不安」が「消費の低調」を招いていることは間違いの無い事実です。伊勢志摩サミットで安倍首相が強調した「リーマンショック」級の景気悪化にはならないでしょうが、大英帝国の昔を夢見た「英国のEU離脱」の国民投票結果は、今のところ、一時のショックで相場の混乱は収まりましたが、英国の“愚かな国民投票”の結果は、世界経済の先行きを一層暗くするものでした。
     総務省発表の5月の家計調査結果(速報値)は2人以上の世帯の消費支出が、物価変動の影響を除く実質で前年同月比1.1%減少。実に3カ月連続のマイナスで「うるう年の影響を調整」すると、9カ月連続の減少になります。
     香典代や交際費など「その他の支出」すら減少となっています。自由に使えるお金が少なくなってきているのでは、と懸念されます。当然のこと、消費支出に占めるエンゲル係数が上昇し、衣服などの消費の割合は減少を余儀なくされています。
     農林中金総合研究所の南武志氏は「企業収益は高水準だったのに賃上げ額は少なかった」「来年賃上げはあるのかという不安が消費を抑制している」と見ています。経営者として当然の判断で、現状、よほどのことがない限り賃上げはないと言えるでしょう。
     添付表に示されているように、日本銀行の物価上昇率「2%」はマイナスが続いています。厚生労働省発表の5月有効求人倍率(季節調整値)1.36倍で、アベノミクスの数少ない成果といえそうですが、求人が増えている業種は偏りがあり、賃金も上がっていないのが実情でしょう。
     問屋街やショップ販売の販売職は、必死の募集にも関わらず人は集まらず、募集に成功しても、少々の賃上げ程度ではすぐに辞められてしまうのが現実です。販売効率が上がらないだけに、無茶な時給は会社経営を圧迫すること必死という事態に追い込まれています。
    (添付資料:朝日新聞7月2日経済指標のポイント)

  • 「国債落札 大手銀に重荷」〜三菱UFJ特別資格の返上検討〜 2016.6.9
    参考資料  懸念された通りの事態が進行しています。日本銀行のマイナス金利政策によって大手銀行は、国債を持つうまみが薄れてきたのです。
     添付の表(下段の方ですが)『日本銀行の国債保有残高は銀行を逆転』が示すようにマイナス金利下では、国債を抱えていることが大手銀行といえども業績に影響することが懸念される事態を迎えているのです。
     今年1月の日銀による「マイナス金利政策」導入以来、幅広い年限の国債利回りはマイナスとなり、満期を迎えてしまうと確実に損をするという誰にもわかる論理です。
     メガバンク(三菱UFJ、三井住友、みずほ)の保有する国債残高は、3月末時点で約54兆円ありますが、これでもこの3年間で半減したのです。三菱東京UFG銀の幹部は「様々な検討をしているのは事実。金利がマイナスになっている国債を買い続けるのは難しい」と新聞には記されています。
     三菱東京UFJが手放す『国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー)という資格は、財務省と意見交換できるメリットがある反面、すべての国債の入札で4%以上を応札し、一定割合を落札する義務を負う』ことになっているのです。
     消費増税先送りを再び表明した安倍首相は、「アベノミクスのエンジンを最大限にふかす」ことで、国民の支持を得るように呼び掛けています。
     アベノミクスとは、あくまで「前借り」の経済政策であることは、幾度も述べてきました。カンフル剤的効果はありましたが、新しい需要は生み出せず、むしろ将来の需要の先食いになってしまいました。
     「前借り」政策は、右肩上がりの時代なら成功もしますが、人口減少社会、低成長の時代には、『加速』よりも1日も早い『見直し』が必要になっているのです。
     最大手銀行三菱東京UFJすらが国債の安定的引受先を返上する事態は、国債を保有することの負担と、あるいは国債相場の急落という事態を懸念していることの表われ以外のなにものでもありません。
     「前借り」経済の先行きを頭に入れてマネジメントに注力すべき時なのです。

  • 「これまでの判断とは異なる“新しい判断”」に基づき、消費増税を19年10月に延期した! 2016.6.1
     日本の政治は「選挙」が中心にあり、「選挙」を軸にして政治が回るようです。各方面から注目されていた (1)消費増税の実施延期、(2)衆参両院のダブル選挙 について、安倍首相も(1)を、19年10月実施に延期し、(2)については、公明党の反対もあり、見送ることに決断することになりました。夏の参院選は6月22日公示、7月10日投開票と決めたわけです。
    参考資料  (1)については、首相もいろんな小細工を弄し、サミット伊勢志摩の7か国同意文書に盛込むという大胆な策まで考えた模様ですが、英キャメロン、独メルケルさんに素気無く断られる始末、万策尽きて「新しい判断」が生まれてきました。
     「リーマン級を否定」→「世界経済リスク」に対する“新しい判断”なのでしょう。
     一般の国民にとっては、別段「新しい判断」とも思われていないようですが、小泉政権以来の慣習で、何かのスローガンが必要と思ったのでしょうか?アベノミクス効果を強調したいあまり、「木に竹を接ぐ」結果となったのです。アベノミクス効果たる「トリクルダウン理論」の現実性が証明されない以上、首相の話の信ぴょう性は失われていくばかりです。
     朝日新聞朝刊6月2日付で、“首相、消費増税19年10月表明”と共に、“アベノミクス限界認めよ”との同紙小陳経済部長の主張が掲載されています。
     「安倍晋三首相は1日に消費増税を先送りしつつ、財政健全化目標は堅持する考えを示した。だが、骨太の方針には具体的な道筋が示されず、目標の達成は極めて厳しい状況になった」と論評されています。
     安倍政権は、(1)希望出生率1.8、(2)介護離職ゼロ、(3)名目GDP(国内総生産)600兆円達成 を目標にしています(表を参照してください)。
     そして、「1億総活躍プラン」です。財源の裏付けもなく、どのように実現していくのかは不透明なままです。「表」に記載されているように、「今秋、大胆な経済政策を取りまとめる」とはありますが、かえって、安倍政権の「手詰まり感」を強めただけに終わるのでは?
     問屋街は問屋街としての判断から、お上から“したたり落ちる”果汁に期待することなく自らの手で「新生の街」を創り上げるべきときを迎えています。消費税10%が、ほぼ永久にその実施が遠のいたことは歓迎すべきです。

  • GDP1〜3月期「年率1.7%増」も「うるう年効果」が貢献した? 2016.5.19
     内閣府18日発表の2016年1〜3月期国内総生産(GDP)の一時速報が出ました。物価変動を除外した実質成長率が、前期(2015年10〜12月期)比0.4%増でした。2四半期ぶりのプラス成長ではあるのですが、「うるう年」のかさ上げ分1日の寄与と見られています。
     GDPの6割を占める個人消費は、前期比0.5%増。前期の落ち込みの反動による伸び、「うるう年」のプラス効果で力強さはまったくありません。
     企業の設備投資に至っては、1.4%の減少。3四半期ぶりにマイナスに転じています。米国景気の不振、中国はじめ新興国の経済低迷、EU諸国の政治変動からの円高や株安から企業の投資意欲は慎重にならざるをえない状況と見られています。
     経済活動に一喜一憂することはありませんが、安倍政権の看板が大きく傾き始めたことだけは間違いないようです。

  • 今国会の焦点となる「アベノミクス」政策の終焉? 2016.5.17
     日本銀行がマイナス金利政策を導入したのは、2月16日のこと。その後、長期金利はマイナスで推移しており、住宅ローンなどの借りる際の金利は大幅に下がっています。反面、金融機関での運用難などの副作用も目立つようになってきました。
     アベノミクス「第一の矢」=異次元の金融緩和と囃し立てられた、“黒田バズーカ”の威力も限界で、これ以上はさすがの安倍政権側近の“リフレ派経済学者”もお手上げ状態にあります。
     目標とする「デフレからの脱却」も、それに続く「景気回復」の夢も遠のくばかりです。日銀が4月28日追加の金融緩和を見送ったことから、一気に円高が加速してきたのです。記事にある通り、米国の1〜3月期実質国内総生産(GDP)が市場の期待を裏切ったことで、早期の利上げ観測も遠のき、6日間で対ドル6円の円高となりました。
     日本経済は、いくら安倍首相が力んでも世界各国の経済情勢の影響を避けられないことがもはや明白になったと言えるでしょう。流れは、円高・株安に限りなく向かっているのです。
     安倍政権は、「一億総活躍社会」という新たな看板を掲げて国民生活に土足で踏み込むという、戦時下の東条内閣に匹敵する「愚」を犯し始めています。政権維持のために安倍首相のEU諸国訪問も続き、伊勢志摩サミットへの根回しも独メルケル首相で暗礁に乗り上げた格好となりました。
     物価上昇率2%目標の達成までは、アベノミクスも頑張らざるを得ないでしょうか?
    参考資料 - 朝日新聞

  • “アベノミクスに停滞感”、今更でもありませんが、整理しておきましょう! 
    〜気になる企業の景況感データを『朝日新聞』から〜
     2016.4.10
     4/2付の『朝日新聞』1面、2面(分断の現場)、6面(輸出産業を直撃)から安倍政権の先行きに暗雲が広がっていることが理解できます。
     日本銀行、4/1日発表の3月全国企業短期経済観測調査(短観)は理由は別にして、東京株式市場では日経平均株価が一時600円超値下がり、アベノミクスが始まって3年で、「経済の好循環」に向けた動きは停滞感が強くなりました。
     新興国経済の減速、原油安、年明け以来金融市場の混乱で円高が進行するなど海外要因による輸出企業の収益は落ち込んでいます。
     私自身も小売りの現場に立っていますが、わが問屋街を含めて内需の非製造業の景況感は厳しいの言葉をはるかに超えています。
     日銀が2月に導入したマイナス金利政策の効果などほとんど限定的に留まっています。
     そもそもアベノミクスは、大企業にまず儲けさせて設備投資や賃金を増加させ、その上で中小企業や地方に「好循環」を広げていくという設計でした。先陣を切って自動車を中核とするものづくり大手企業は、日銀の過去最大の金融緩和の恩恵を受けての円安の加速で失業率、有効求人倍率が改善、雇用条件は良くなりました。ところが、ここまでで計画はとん挫しています。
     国内の実質賃金は政権発足の3年前より悪化し、非正規従業員が増加し続けているのです。政権の「焦り」と経済の現場に「疎い」体質が消費増税でますます状況を悪化させています。GDPの6割を占める個人消費はさっぱりです。
     アベノミクスをぶち上げた政権は、当初の「トリクルダウン効果」のことなどおくびにも出さなくなりました。
     資本主義の萌芽期といわれる13世紀以降、先進国たる欧州においてすらその長い歴史において「トリクルダウン効果」など起こり得ず、どの時代においても「持てる者」と「持たざる者」の「格差拡大」のみを結果してきたことを著名な学者の多くが指摘してきたのです。
     残念ながら、わが日本人も「レーガノミックス」の二の舞を踏まされたことになるのです。
    参考資料 - 朝日新聞

  • 「消費増税引き上げ」(平成29年4月)見送り濃厚か? 2016.3.21
     消費税率8%(消費税6.3%、地方消費税1.7%)引き上げは、平成26年4月のことでした。計画では、平成27年10月に第2段階の10%(消費税7.8%、地方消費税2.2%)引き上げとなっていたのですが、第1段階引き上げ後の国内消費減退から、26年11月には安倍首相自ら第2段階の消費増税は、27年実施を見送り、28年4月に延期すると明言したのです。
     首相は、「再延期は絶対にない」としていましたが、ここにきて首相の考えにもかかわらず再延期の機運が盛り上がってきています。
    (1)経済政策有識者会議において、ノーベル経済学賞受賞者ジョセフ・スティッグリッツ氏は、安倍首相に対して「消費税を今引き上げるべきではない」と助言しました。氏は、「異次元緩和」「マイナス金利」政策の次は、消費増税より「財政出動」を勧告されたのです。
    (2)アベノミクス政策の破綻を「認めるわけにはいかない」首相の思惑とは別に、自民党内にも「増税先送り論」が増えてきています。アベノミクス効果は、上場企業の「官製ベア」アップにも貢献せず、トリクルダウン効果も起こり得ないことが明らかになっています。貧富の格差は拡大に向かっています。
    (3)消費税が上がれば「買物」(消費)を控えるのは当然のことです。消費の減退は売り手の企業収益を減らし、給料減、リストラ、個人所得減と「不景気のスパイラル」への加速度が増します。すでに、8%への増税で実証されています。すなわち、「消費減→生産減→所得減→「消費税引き上げ」→消費激減→生産激減→所得激減→」
    (4)そもそも「消費税増税」は「財政再建」を目的として、民主党政権の野田内閣によって主張されてきた政策です。
    (5)安倍第2次政権も当時の自民党政策の「消費増税」→「財政再建」を主張していました。
  • 日本に消費税が導入されたのは、1989年(平成元年)のこと。当時、税率は3%でした。
     バブル最末期で翌年にはバブル崩壊がはじまっています。これは、不動産売買の「総量規制」が原因とも考えられ、消費税導入と景気の相関性がよく分からなかったというのが実相でした。
     消費税が5%に引き上げられたのは、1997年(平成9年)のことです。日本の「バブル崩壊」とされる1990年(平成2年)以降の「名目GDP」と消費増税の関係は、以下の数値の通り、「緩やかな成長」から「500兆円」前後を挟んでの上下動に変化しています。
    参考資料 - 新聞見出し ・90年(H2年)449兆円
    ・91年(H3) 468兆円
    ・92年(H4) 480兆円
    ・93年(H5) 484兆円
    ・94年(H6) 486兆円
    ・95年(H7) 493兆円
    ・96年(H8) 504兆円
    ・97年(H9) 515兆円 →消費増税5%へ
    ・・・・・・・
    ・98年(H10) 504兆円
    ・99年(H11) 497兆円
    ・00年(H12) 502兆円
    ・01年(H13) 497兆円
    ・02年(H14) 491兆円
    ・03年(H15) 490兆円
    ・04年(H16) 498兆円
    ・05年(H17) 501兆円
    ・06年(H18) 508兆円
    ・07年(H19) 515兆円
    ・08年(H20) 494兆円
    ・09年(H21) 471兆円
    ・10年(H22) 482兆円
    ・11年(H23) 471兆円
    ・12年(H24) 475兆円
    ・13年(H25) 480兆円
    ・14年(H26) 487兆円
    ・15年(H27) 499兆円  →消費税8%へ

  • GDPはともかくとして、98年の「税収」は96年比4兆円の増加です。ただし、所得税収2兆円、法人税収3兆円が減少して、税収全体では、1兆円の減少になりました。16年の税収は確定していませんが、財政状態が好転するより借金が雪だるま式に増加していると予測できるでしょう。
    問屋街企業にとっても「消費税10%」は、大打撃となることは必須です。問屋街全体の売上数字が不明のために「名目成長率」での増税による影響を掲げましたが、街全体の売上高に及ぼす影響は計り知れないものがあります。


  • 安倍政権、目玉の「アベノミクス政策」に打撃を与える金融不安続く! 2016.2.28
     “株安・円高の流れが止まらない”、この傾向は未だに続いています。「アベノミクス」が果たしてまっとうな経済政策であったどうかは不明で結論は、歴史の中で決まることになるでしょう。
     2016年2月12日の東京株式市場における「日経平均株価1万5千円台」割り込みは、実に2014年10月21日以来の出来事です。以来、株価は一進一退を続けており、原油安に加えて新興国、わけても中国経済への懸念から世界経済全体が揺らいでいます。株高・円安の流れはとどめようもなく、日銀といえども安易には動けない「立ちすくみ」の状態にあるのです。
     この古い新聞記事を持ち出しましたのも、今後の世界の流れの中ではアベノミクスにとどめを刺すきっかけとなるかもしれない、という恐れを意識して残しておきたいと考えました。
     まだまだ結論を出す時期ではありますまい。それだけにこの12日という日をしっかり覚えておかなければならないのです。政府発表の数字は、果たして信用に足りるのか、本当の危機が迫っているのではないか、安倍政権が次々と打ち出す政策には、本当に国民の生活を考えての内容であるのか、真剣に考え直す契機となる新聞記事であったと考えます。
    参考資料



    今塾“経営の眼”2015 アーカイブ
    今塾“経営の眼”2014 アーカイブ
    今塾“経営の眼”2013 アーカイブ

(経営支援アドバイザー)

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